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手術をせずに柔道整復師が保存療法で治せるタイプの鎖骨骨折

2015.02.10.火

症例2 高校女子サッカー選手の鎖骨骨折

左肩の激痛を訴えて来院した某強豪高校女子サッカー部の選手。

練習中に相手選手の足に引っ掛かり左側方に転倒した際、左肩を地面に打ちつけ受傷しました。

 

<初診時身体所見>  

安静時痛:(+)  肩関節可動域制限:全方向で(+)  動作時痛:全方向で(+)  外観:階段状変形(+)  圧痛点:左鎖骨中外1/3部(++)  巧緻運動傷害(-)  血流障害(-)  神経障害(-) 

以上より、『左鎖骨骨折と考え、クラビクルバンドと三角巾固定による応急処置をして、協力病院に対診を依頼しました。(写真1左上)

 

協力病院にてレントゲン撮影を行い、『左鎖骨骨折』と診断され、そのまま、骨折部の整復、ギプス固定を行って頂きました。(写真1右上) レントゲンより、 Robinson分類 2B‐1 typeと考えられました。(写真2右上)

幸運にもこの骨折の型は保存療法での骨癒合の成績がとても良いのです。

選手本人とご両親、協力病院のドクターとの相談の結果、手術はせずに保存療法を選択する事になりました。

 

当院では骨癒合促進を目的に、低出力超音波治療機による骨折部位へのアプローチ。 また、骨折部やその周囲の血液やリンパ液の循環を促進させる目的で、ギプス固定部周辺の筋機能不全に対する徒手療法を行いました。

2週間のギプス固定の後、再転位が無いのでギプス固定から、クラビクルバンド固定に変更。(写真1左下)

受傷後5週目はレントゲンでは仮骨は確認できませんでしたが、エコーにて仮骨が確認できました。

受傷後9週目で圧痛・異常可動性なく、レントゲンにて仮骨の形成も見られたのでクラビクルバンド固定を除去。(写真1中央下)

その後も、骨癒合促進のための低出力超音波治療、また疼痛改善を目的とした施術を行いながら、可動域改善や筋力の獲得を目的としたアスレティックリハビリテーション、スムーズに通常練習に合流できるようサッカーの競技特性を踏まえた段階的トレーニングプログラムを作成し指導、実践してもらいました。

受傷後17週目には対人プレー以外の練習が全て出来るようになりました。

受傷後22週目、圧痛は少し残るものの、レントゲン上でしっかりとした骨癒合が確認されたので、対人プレーが許可されました。 そこからなかなか恐怖心が抜けきらず思い切ったプレーが出来ない日々が続きましたが、恐怖心を取り除いて行く為の様々なトレーニングを試行錯誤しながら指導し、取り組んでもらいました。

そしてついに受傷後26週目(約6カ月)でようやく恐怖心なく試合形式の練習に完全合流できました。(写真1右下)

 

今回の症例のみならず外傷においては、初診時の診断の確定や、レントゲンでの経過観察など、協力病院のドクターとの共同治療の上で成り立っていますが、ケガをした際、患者様が整骨院への受診をファーストチョイスして頂いた場合には、ケガのスペシャリストである我々柔道整復師は骨折・脱臼などのケガに対して、病態把握ができ、重症度別に予後を踏まえた治療法の選択肢を知っている必要があります。その上で各患者様の社会的背景に見合った最善の提案が出来ることが非常に重要であると考えています。